第14章 お茶会
更に一年後ーー。
「待っていたよアリスちゃん」
少し元気のない声でアリスを出迎える森。
いつも賑やかだったメンバーは他におらず、アリスと森だけだ。
アリスは定位置につくと早速、口を開いた。
「治兄、出て行っちゃったね」
「もう知っていたのかい?」
「中也兄が云いに来たよ」
目の前に置かれている紅茶に口をつけながらアリスは話す。
「でも、こうなるって分かってたんでしょう?首領」
「確信をついてくるね」
アリスの言葉に森は苦笑する。
「それで私だけ呼ばれた理由は?治兄の居場所を特定しろなんて云わないでしょ?」
「流石にそれはしないよ」
「じゃあ何の用?」
「アリスちゃんに頼みたいことがあってね」
「頼みたいこと?」
「太宰君の席を守って欲しいんだ」
「治兄の席って……5大幹部の椅子を?」
「そう。この椅子に座りたい連中は山のように居るけれど、太宰君の後釜となると話しは変わってくる」
「確かに、治兄の後なんて余程の人じゃない限り居ないとは思うけど」
「アリスちゃんなら適任かと思っているんだけど」
「私は絶対に嫌だよ」
「そう云うと思って、代わりに椅子を守る番人をお願いしたいんだ」
「……具体的に如何すれば?」
アリスは首を傾げる。
「ただ、座ってくれていればいい。太宰君の抜けた穴は大きい。相棒だった中也君に大きな負担が掛かるだろうから」
「治兄の代わりに中也兄のお手伝いをすればいいってことだね?」
「お願いできるかな?」
「中也兄が困ってるなら手伝う」
その言葉を聞いて森はニッコリと笑った。
「それじゃあ引き続き、よろしく頼むよ」
「判りました首領」
「もう少し落ち着いたらまたお茶会をしようね」
「はーい」
アリスはペコリとお辞儀して部屋を後にした。
入れ替わるようにスウ、とエリスが現れる。
「アリスはオサムには着いていかなかったのね」
「恐らく、探しものとやらが見つかっていないのだろうね」
「手伝ってあげないの?」
「彼女は大人を信用してない節があるからね。自ら話すまでは変に詮索せずに様子見だよ」
「そう。嫌われたくないものね」
「そうだねぇ」
森はふう、と息を吐いて答えたのだった。