第7章 赤葦に可愛く思われたくて色々するけど全部空回っちゃう話
「悩みなんてないよ?」
「嘘ついてるのばればれだから」
「ついてないついてない」
「さんが話してくれるまでずっとこのままって言ったら白状する?」
いやいや京治さん。それは私からするとご褒美にしかならないって分かってますか?
微妙にズレてる彼がおかしくてニヤけそうになる唇を必死で誤魔化していると、パーカーの裾から侵入してきた彼の長い指が、直にお腹を摘みだすから慌てて降参の意を示す。
友人に言われた一言。自覚してる可愛げの無さ。それでも京治の前では可愛くありたいと思う。
だから自分の想像する可愛いをやれるだけやってみたんだと、ぶち撒けてしまえばいくらかすっきりはしたけど、同時に湧き上がる羞恥心は半端ない。
現に黙って最後まで聞いていた彼は、それでも所々でふっと笑った気配に恥ずかしすぎて顔から火が出そうなんですが。
「そんなことしなくても十分だよ」
「十分じゃないよ。ほんとは瓶の蓋だって余裕で開けれるし食器取るのもいつも椅子に上って取ってるし、怖い話も大好きだし」
「なにを今更。そんなのとっくに知ってるよ。俺がいない時重い家具持ち上げて掃除してるのも、夜中に怪談チャンネル見て笑ってるのも」
「………バレてた」
「寧ろバレてないと思ってたことがびっくりだよね」
「やめてもう恥ずかしすぎる」
「それに、」
可愛げなんてさんがそこに存在してるだけでお釣りがくるぐらい足りてるから。