第1章 どれだけ持論を披露しても侑の執着に全部溶かされちゃう話
唇の端を持ち上げて、組み敷かれる。シーツに縫い付けられた両手はいつでもふり解ける力しか入ってない。私がふり解かないことを知っているから。
火力も体力もバカがつくほど高い侑もきっと私と同じ、こっち側の人間だと。そう見誤っていたと気づいたのはいつだったか。
「はよ俺のもんになって」
「肩書きなんていらないでしょ」
「あったほうがハクがつく」
バレー界のスターが何を血迷うか。
右からも左からも黄色い声を一心に浴びて、世界を渡る名セッターにはすでに幾重にもついてるだろうに。それも一筋縄では剥がれない強固なハクが。
彼の異様なまでの貪欲さと、一度でも自分が望んでしまえば何が何でも手に入れる、と言う執着にも似た純粋さの結果なんだろうけど。
「もっと献身的で純粋で一途な子が似合うと思うよ、侑には」
「え?自己紹介?今更すぎるやろ」
「私と真反対の子を選びなよって言ってんの」
「あー、あと一個あんたの厄介なとこあったわ」
「なに」
「まったく自覚がないとこや」
シーツの上、散った私の髪を掬って、首筋には赤い花を咲かせる。
甘い言葉を惜しげもなく囁く彼の首に腕を回して、そうして今夜も私は並べ立てた持論を彼の熱で一つ残らず溶かされていく。
執拗で、甘い執着を全身に浴びながら。