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HQ短編集

第4章 二口堅治に付け込まれてそのまま付き合っちゃう話



少女マンガとかでさ、主人公とくっ付くモテ男の取り巻きっているでしょ?色んな手段を使って2人の仲をどうにか引き剥がそうとする悪役モブ女。

あれってさ、やり方は褒められたもんじゃないけど、純粋に好きだからこそ、なんだよね。好きが溜まりに溜まって変な方向に向いちゃったから、結果めちゃくちゃイヤな女に見えるだけでさ。

振り向いてほしいって思うのも、一緒にいたいって思うのも、主人公と同じなんだよ。

でもスポットライトがあたるのはいつもヒロインでしょ?その影で泣いてるモブ女の気持ちなんて絶対みんな知らないじゃん?だってライトあたんないし。

私も考えたことなかったけど、今ならモブ女の気持ちがめっちゃ分かるんだよね。

二口はどう思う?


「は?」
「それともモブ女は恋愛すらしちゃいけないのかな」
「いや俺に聞くなよ知らねえよ」
「まぁ、あんたが少女マンガなんて読んでたら一生笑い者にするけどね」
「読まねーわ」


放課後の部活終わり。忘れもん取りに教室を覗いたら、窓際の自分の席でとっくに暗くなった外を眺めているがいた。

机の上には日誌が広げられ、そういやコイツ日直だったなと声をかけるとさっきの発言。

普段メシ食ってる時以外ほぼ喋ってるの覇気が珍しく薄くて、どっかで頭でも打ったか?それとも変なもんでも拾い食いしたのか?と弄ってやれば、すでに何人か殺ってるような物凄い形相で睨まれた。冗談だよ怒んなよ。


「つーかなんも書いてねえじゃん、お前何時間そこ座ってたんだよ」
「んー、なんか頭回んなくてさー」
「それはいつものことだろ」
「はっ倒すよ?」


今日の日付けと自分の名前。それ以降は空白の日誌に、今のの気持ちが露骨に見えた気がして、出てしまいそうになる舌打ちを無理やり腹の底に押し込める。代わりに彼女の前の席の椅子を荒っぽく引いて座り込んだ。


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