【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第1章 1
『なァ。今夜空いてるか。』
透のスマホに通知が来る。
爆豪からのメッセージだ。
『良いけど、お酒飲んでて
足りなくなったから買ってきて』
既読がついた瞬間、スマホを握る手に力が入る。
「……チッ。」
舌打ちしながら、もう片手で靴を引っ掛けている。鍵を掴む指先が妙にせわしない。
『何でもいいのかよ。』
返信を打つ親指が一瞬止まる。
6月下旬の夜。蒸し暑い風がアスファルトの匂いを運んでくる。
時刻は午後10時を過ぎた頃、駅前のコンビニの明かりがやけに眩しい。
爆豪は少し早足で、コンビニへ向かう。
コンビニに入り、酒の棚の前で足を止める。眉間に皺を寄せながら、カゴにビールを1本。自分の分を入れた。それからチューハイのレモン味を2本と——
会計を済ませ、袋をぶら下げて透のアパートに向かう足取りは、コンビニに向かう時よりも早い。
『おい、着いたぞ。』
インターホンを鳴らす前に、LINEを送っていた。