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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第9章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ II **


……絶対に。
そう答えたものの、どうすればいい?

姑獲鳥の残穢を辿れば、居場所を突き止められるか?


いや、相手はこの十年間、五条先生ですら居場所を掴めなかった呪霊だぞ。
そう簡単に追跡できるとは思えない。


くそっ、考えろ。
一刻も早く、を見つけないと。


俺はノートを閉じ、指を絡ませて印を結ぶ。



「玉犬」
「鵺」



影が波打ち、玉犬が飛び出し、続いて鵺が大きな翼を広げて姿を現した。
俺はしゃがみ込み、玉犬たちの鼻先にのノートを近づける。



「匂いでも、気配でもいい」



玉犬たちがノートに鼻を寄せ、すんすんと嗅ぐ。
上空を旋回し始めた鵺も、俺の言葉を待っていた。



「を探せ」



俺の命令に、玉犬たちが低い唸り声を上げて駆け出していく。
鵺も大きく羽ばたき、上空から商店街の奥へと飛んでいった。


頼む。
何でもいい。

手がかりさえ掴めれば――。


ふと、五条先生に目を向けた。

さっきから妙に静かだった。
いつもなら何かしら口を挟んでくるくせに、今は腕を組んだまま、じっと一点を見つめている。



「……先生?」

「…………」

「五条先生」

「……ん? ああ、ごめん」



ようやくこちらを向いたものの、その表情はどこか険しかった。



「何か分かったんですか?」

「いや……ちょっとね」



五条先生はそう言うと、再び姑獲鳥の残穢が漂う方へ視線を戻した。



「……恵。一旦、高専に戻ろう」

「…………は?」



五条先生を睨んだ。
何を言ってるんだ?



「まだ、が見つかってないんですよ」

「うん。分かってるよ」

「だったら、なんで戻るんですか!?」



自分でも驚くほど、声が荒くなる。
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