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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第9章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ II **


𓂃 side:伏黒恵 𓂃



荒川付近の商店街に到着すると、通りの一角には規制線が張られ、数人の補助監督が慌ただしく動き回っていた。

辺りには、姑獲鳥の残穢がまだ色濃く残っている。
本体はもうここにいないはずなのに、肌にまとわりつくような呪力が消えていない。


これだけの残穢を残す呪霊が、どれほどのものだったのか。
考えただけで、腹の底が冷えた。


俺たちに気づいた補助監督が駆け寄ってくると、五条先生が尋ねた。



「状況はどんな感じ?」

「現在、目撃者の方から詳しい状況を確認しています。さんの捜索も続けていますが……まだ……」

「……っ」



無意識に拳を握り込む。



「恵」



五条先生が俺の肩を軽く叩いた。



「冷静になれ。呪力が乱れてる」

「…………」



補助監督に案内されて規制線の内側へ入る。
少し先では、若い男女が別の補助監督から事情を聞かれていた。



「だからさ! 急に鳥みたいなのが出てきたんだって! しかも、めっちゃデカいやつ! でも顔は女みたいでさ! マジで気持ち悪かったんだって!」



男は興奮した様子で身振り手振りを交えて話している。
一方、隣にいる女は青ざめた顔で俯いていた。


栗色の長い髪。
昨日会った、中学の同級生だ。



「……お前、なんでここに……」



俺の声に、女が顔を上げる。



「伏黒くん……?」




すると、隣にいた男が俺たちを交互に見て、口を挟んできた。



「え、知り合い? ノート持ってた子も知り合いって言ってたよな?」

「お前ら、に会ったのか?」

「?」

「そのノートを持ってた子だよ!」



男が何か答えるより先に、同級生の両肩を掴んでいた。
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