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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第8章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない Ⅱ**


「帰るって言われて、僕が素直に『帰らないで』とか言えると思う?」

「えぇ……!? そんなの、わかるわけないじゃないですか……!」

「知っててよ!」

「む、無理ですよ! 先生、何考えてるのか全然わかんないです!」



僕だってわかんないんだから、仕方ないだろ。



「じゃあ、は答えられんの?」

「……え?」

「恵とあんなことしといて……僕は何なの?」

「それは……」



は何か言いかけて、そのまま黙り込んだ。
少し待ってみたけど、続きは出てこない。


……そっか。
そうだよね。
もう、の中に、答えは一つじゃないんだよね。


前なら僕のことが好きだって。
迷うことなんかなかったのに。

今は恵もいるんでしょ。
ずっと僕とだけだった場所に。


その事実を改めて突きつけられると、気分が悪くなる。
こんなの、今まで感じたことなんてない。

嫌だな、ほんとに。



「、ほんとに帰りたい?」



はまだ黙ったまま。
僕は小さく息を吐いて、その場にしゃがんだ。

俯いていたと、ちょうど目が合う。



「せ、先生……?」



こうして真正面から見ると、目がかすかに赤くなってる。

僕、いつもを泣かせてばっかだな。

















「……いてよ」



誰かにこんなこと言う日が来るなんて。
ほんと、どうかしてる。

急にの顔を見られなくなって、僕は片手で顔を覆った。



「何言ってんだろうね、僕は」

「…………」



やっぱり、帰りたいのかな。
帰りたいって言われたら、どうしよ。


そう思って、指の隙間からを見る。


はまだ僕を見ていた。
泣きそうだった目を何度か瞬かせている。



「……?」



名前を呼ぶと、の顔が一気に赤くなる。
ココアの缶を握る指にも、ぎゅっと力が入った。
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