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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第8章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない Ⅱ**



ばしゃっ。



「……え?」



浴室から水音がした。
振り返ると、さっきまで隣にいたはずの朔がいない。



「朔?」



浴室を覗くと、そこには濡れた羽をぶるぶると振って、早くしろと言わんばかりに朔がこちらを見ていた。



『きゅぅ!』

「そうだね。まずはシャワーだね」



今はとにかく、この臭いと汚れをどうにかしよう。



・
・
・



リビングへ入ると、先生はソファに座ってスマホをいじっていた。



「先生、シャワーありがとうございました」



私の声に顔を上げた先生の視線が、一瞬だけ止まる。



「…………」

「……何ですか」

「いや……」



先生はソファの背もたれに身体を預けたまま、まだこっちを見ている。


そんなに見ないでほしい。
下着まで全部濡れてしまったから、実はブラもパンツも何も穿いていない。

借りたTシャツは、私が着ると裾が太腿の辺りまでくるくらい大きいんだけど。

さっきから、ものすごく落ち着かない。
歩くだけで裾の内側に空気が入ってきて、すーすーする。


なんか、私こういう状況多くない?



「まあ、そうなるよね」



どういう意味?

まさか。
何も穿いてないの、バレてないよね?


急に心配になって、Tシャツの裾をそっと引っ張った。



「朔は?」

「朔はもう戻しました。綺麗になったし」

「そ。の制服も今洗ってるから。乾燥機かければ、すぐ乾くよ」

「ありがとうございます……何から何まで」

「別に。その格好で高専帰すわけにもいかないしね」



ソファの横まで来たものの、そこで立ち止まってしまった。


座りたいけど。
先生の隣、座っていいのかな。

旅館でのあの夜以来、先生と二人きりになると何を話していいかわからなくなる。


頭の中でぐるぐると考えていると、先生が自分の隣のスペースをぽんぽんと叩く。



「そんなとこで突っ立ってないで、座ったら?」

「あ、じゃあ……」



先生から少し離れて、ソファの端っこへ浅く腰を下ろした。
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