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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第7章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を離さない**


恵の部屋は、確かこの廊下の先だ。

手に持ったファイルを軽く振りながら歩いていると、恵の部屋の前に一冊の本が落ちているのが見えた。



「……ん?」



近づいてみると、半分ほど開いたままになっている。


悠仁は本とか読まなそうだから、きっと恵のだろう。
でも、なんでこんなところに?

しょうがないなぁ。
ファイルと一緒に渡してやるか。

僕って、やさしい。


本を拾い上げ、ノックしようとした、その時。





――どんっ。



扉の向こうから、何かがぶつかったような鈍い音がした。



「……?」



続いて、微かに声が聞こえた。



「……んっ、ぁ……っ」



今の。
聞き間違えるわけがない。



「だめ……っ、ふしぐろ、くんっ……」

「、我慢しなくていい」

「んぅ……っ、はぁっ、や……っ」



二人が何をしているのかなんて、想像するまでもなかった。



『その呪い、俺が祓ってやります』



僕がに呪いをかけたと言ったら、恵は真正面からそう返してきた。


僕は笑った。
恵に祓えるわけないって。
僕の呪いだよ、って。


ああ。
そういうこと、恵。

これが、君の言ってた「祓う」ってこと?



「や……っ、ん、ふしぐろ、くんっ……!」



扉の向こうから、またの声が聞こえる。


なんで。
なんで、恵の名前呼んでんの。


恵に触れられてると思っただけで腹が立つ。

が恵の名前を呼ぶたびに、今すぐこの扉を開けたくなる。

連れ出して。

僕を見ろって。
僕の名前を呼べって。



僕がにかけた呪い。


彼氏を作るなって。
僕以外の男を選ぶなって。



「……くくっ」



笑えるね。


とっくに離せなくなってるのは――。














僕の方じゃん。





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