第3章 【土方】想うが故の
土方の部屋にはのみが残った。
他の隊士たちは土方に薬を盛った犯人を探しに出ている。
土方は相変わらず苦しそうに息をしており辛そうだ。
「土方さん・・・」
は土方の額に乗せているタオルを交換しようとした。身体が熱いのか、すぐに冷たいタオルが温かくなっていた。
そっと土方の額からタオルを取ろうとした時、
パシッ
「!・・・土方、さん?」
土方に手首を掴まれた。手もだいぶ熱い。どうしたのだと土方を見ると、薄く目を開けていた。
土「俺の世話はいい・・・お前も、奴を探しに行け・・・」
「っ・・・そんな苦しそうな土方さん置いていけない」
現に、今この屯所には最低限の隊士しか残っていない。自分まで外に出たら何かあった時に対処できないだろう。
土「いいって言ってるだろ・・・出てけ」
を掴んでいた手を放し、肩をドンと押した。
息を荒くしながら、それでも下がらせようとする土方には泣きそうになる。
「・・・心配なのっ、もし、土方さんになにかあったら、私っ・・・」
土「・・・出てけ・・・っ」
「土方さんっ」
苦しそうに身体を丸める土方。こんな土方は見たことがない。背中を擦ろうと手を伸ばす。
土「触るんじゃねェ!!」
「!?」
突然の大声にビクッと肩を震わせた。こんなに大きな声で制止されたことなど今までに無く、余程緊急事態なのだと察する。
「本当にどうしたんですか・・・体におかしな所があるなら言ってください」
必死に訴える。相談してくれと。
土方はそんなの気持ちに気づいたのか、小さく答えた。
土「・・・俺が盛られたのは・・・多分媚薬だ」
「媚、薬?」
なんとなく聞いたことはある。気持ちを高ぶらせたり、身体のいろいろな感覚を敏感にさせたりする薬。
もっぱら体を重ねる時に使われるイメージなのだが。
土「俺の理性を吹っ飛ばして、不祥事でも起こさせようとしているんだろう・・・しばらくしたら、治まるはずだ・・・」
だから本当に離れてくれ、と辛そうに呟く。
土「お前を見てると、触れたくて仕方がなくなる」