第3章 色づいて、舞い踊る
「花衣ちゃんは変な方にすぐ考えて動く癖があるから、シューターだと裏目に出る可能性あるし。それに接近戦のほうが活きると思うよ」
「活きる?」
「うん、やりたいように動いてそれを周りがサポートできれば最高な形だよね」
要はあれか。何にも考えずに突っ込める役回りってことか。
ますます褒められてんのか貶されてんのか分かんなくなってきた。
「とりあえずアタッカーでいってみて、ほんとにムリだなと思ったらその時に考えればいいよ。ポジション変更なんて後からいくらでもできるしさ」
「そー、ですね。わかりました」
「それに花衣ちゃんが孤月振り回してる姿、けっこうサマになってきてるよ?」
「振り回してるって言っちゃうあたり、あたしのこと馬鹿にしてますよね」
「はは、まさか」
空の食器が乗ったトレイを横にずらした迅さんは、その空いたスペースに肘をついて手のひらには自分の頬。
あ、そっか、今日土曜日か。週末のこんな時間だから人も多いんだ。
真っさらな白い隊服を着た人の割合が高くて、みんなきらきらな目をしてる。高い志があったり、やる気満々だったりするのかな。
それを嬉しそうに見てる迅さんは、悟りでも開いたおじいちゃんみたいに見えた。
ほんの2ヶ月前、まさか自分がこんな場所でこの男と呑気にお昼ご飯食べるとか、思ってもみなかった。凄いスピードで環境が変化することも、それに中々着いてけなくて、へこむ、うだうだする、意外に引きずる自分の知らない一面が垣間見えて戸惑った時もあった。