第2章 迷宮のダンジョン
あぁでも、1人いた。なんだろう、雰囲気も出してるオーラも他の人とは全く違う異色な存在って言うの?素人目から見ても凄いって思った人。迅さんに聞いたらソロの総合3位って言ってたな。
まだなにか言い足りないような、不満気な表情の太刀川さんが、ほらこれ、あたしに差し出した数枚の紙切れ。
受け取ってざっと目を通してみたけど、読解不能な文字の羅列に疑問符だらけな脳内は混乱の極み。
太刀川さんと迅さんを交互に、説明してくれなきゃ分かんないって無言で催促の視線を送る。
「入隊式までのお前の特訓メニューだよ」
「…………えーっと、」
「1日最低4、5時間。土日はぶっ通し。で、やっとスタート地点に立てるぐらいにはなんだろ」
「あ、でも太刀川さん。花衣ちゃん斬ったり穴あいたりって苦手みたいだからそこも克服させてね」
「そんなもん模擬戦やれば嫌でも慣れるって」
「なんか全く頭が追いついてないんですけど、え?太刀川さんに教わるの?いろいろ?」
「基本はね。太刀川さんが任務ある時は俺が助っ人で」
「………」
「なんだよその嫌そうな顔は」
「いえ別に」
フリーズしそうになって慌てて顔の筋肉を動かしてみたけど、引きつり笑いまでは隠せなかった。
不満なのかと聞かれて、そんなことないですよと曖昧に返したけど。あるのは不満よりも不安。