第2章 迷宮のダンジョン
「なんだよ」
「好きでしょ、太刀川さん」
「……これまた大量に」
「こないだのお礼です」
中身はあれ。個装された白くて四角いフォルムの、焼いたら中心が膨らむ彼の大好物。それを8袋。
お前の感覚ってやっぱ変わってる。口元緩めてそんなこと言われても。褒め言葉にしか取れないわ。
「さて、貰うもんもらったし、さっさと帰るか」
「ちゃんと無事に届けて下さいね、それ」
「はいよ」
「あぁ、それと太刀川さん」
あれから数日、無い頭をひたすら動かし続けた。寝ても覚めても、むしろ寝てる時でさえも夢の中で自問自答している自分が見えたほど。
ああでもない、こうでもないと。
それで気づいたの。
「こないだの話し、受けてみようと思います」
なんて馬鹿らしいんだって。
やったこともないことを、想定だけで決めつけるのは無駄だ。だって所詮は想定だ。答えが出るのは、いつだって飛び込んだ後なんだから。
「なんでそうなった?お前の中でどう変化したんだ?」
「んー、分からないし変化もないかな、たぶん」
「もし、ほだされてアホみたいな正義感ができちまったんならやめとけ」
「あたしが?誰に?やめて下さいよ気持ち悪い。それに正義感って、そんなの持ってるようにもし見えてるなら、太刀川さんのそのつぶらな目は飾りですね」