【HUNTER × HUNTER】愛されすぎて困ってます
第2章 【1】ゾルディック家
「(……生命交換(ライフシフト)。 受けたダメージを、自分に移す能力。 どこまで移せるかは、まだ試してる途中だけど。)」
「……。」
「あ、倒れた」
意識が体に戻ると、毒の効果なのか全身に鋭い痺れが走る。 治癒が終わってすぐ、一言も喋れず、座ることもままならず、わたしは倒れるようにベッドに仰向けになった。
「毒が回って、喋れないでしょ。 呼吸はできてるし、なら2時間ってところかな」
イルミは冷静にそう言うと、そのままぽふ、とわたしの隣に体を沈めた。 ベッドがわずかに軋み、その重みが隣に伝わってくる。
「(……体から毒が消えた。 怪我以外にも使えるみたいだ。 ……やっぱり便利だね、コイツ。)」
……こんな毒を刺されたのに平然としてた。 わたしなんて指1本動かせないし、呼吸するのがやっとなのに。 やっぱりすごいなぁ、イルミは。
浅い呼吸を繰り返し、額から汗をかきながら思うのは、彼への賞賛。 だんだんと視界が揺らぎ、眠るように落ちていく意識の中、体を引き寄せられた感覚と、頭上に微かに感じる吐息を、朧げながら覚えていた。