第27章 開幕のコン・フォルツァ【人外魔境新宿決戦】
「羂索の結界の外殻を持たない領域と九十九さんの領域がぶつかった結果は想像するしかありませんが、どういう形であれ、『必中効果を巡って押し合う結果になる』という冥さんの話には一理あるでしょう」
七海の考察に、「うーん……?」と灰原は腑に落ちない様子で首を傾げた。
そこへ、「なんかさぁ」と猪野が口を開く。
「当たり前のように領域の話してるけどさ、あれってめちゃくちゃ呪力食うんだろ? だから、ホイホイ使わねぇだけじゃん?」
五条が領域を展開しない理由についての猪野の推測に、狗巻が「おかか」と首を振って否定を示した。
「狗巻くんの言う通り、五条先生に呪力切れはありません」
「そりゃあ、呪力効率がベラボウにいいから、消費量が恒常的な自己補完の範疇で収まるってことだろ? でもそれって、常識的な運用が前提じゃねぇの?」
猪野の話に、灰原が「確かに!」と手を打つ。
「連続で領域を展開し直すことがあれば、話は変わってくるかも」
モニターで五条と宿儺の戦いを見ていた秤が、「宿儺は?」と隣に座る鹿紫雲 一――秤が第二結界での激闘の果てに高専側へ引き込んだ過去の術師――に尋ねた。
「神懸かってる。術式発動までのキレ、展延と生得術式の切り替えのキレ――五条 悟に【六眼】がなければ、確実に呪力効率も宿儺が勝ってたはずだ」
「そして、呪力総量は僕より多いですね。直感で倍以上あります」
乙骨の話に、「つまり」と七海がサングラスを押し上げる。
「二人とも、呪力量の問題で領域を展開しないわけじゃないということですか……」
「もしかしてだけど……当事者の二人も含めて、誰にも分からないんじゃない? 五条 悟と両面宿儺の領域がぶつかったらどうなるか――」
桃の言葉を遮るように、「おい」と日車が口を挟んだ。
「――来るぞ」
モニターの向こう側で、五条 悟と両面宿儺が【領域展開】を発動するべく印を結ぶ――そして、黒い球体が現れ、二人の姿が消えた。
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