第27章 開幕のコン・フォルツァ【人外魔境新宿決戦】
「わたしは兄さまから習ったから結界を閉じることはできる。でも、タコさんとの領域の押し合いは勝負にならないって最初から分かってた」
だから、伏黒の提案で、結界を閉じるのではなく、陀艮の領域の外殻を利用して領域を展開した。
しかし、外殻の押し合いを避けられても、領域同士の押し合いがなくなるわけじゃない。
「どうにか一部を食い込ませて必中効果は中和できたけど、それが精一杯だった……」
「俺は元々、現実空間にスケールの違う擬似空間を重ねる感覚を掴むのが苦手なんです。だから、建物や既存の結界を外殻として利用しなきゃならない」
渋谷でのタコに似た特級呪霊――あの呪霊の領域での最終目標は、領域の主である呪霊を倒すことでも、領域の押し合いに勝つことでもなく、全員が領域から脱出すること。
「詞織の領域は未熟だが、俺より精度が高い。だから、俺が出口を作ってる間、詞織にはタコとの領域の押し合いを任せたんです」
「作戦自体は悪くねぇけど、今してる話と比べると超〜〜〜〜次元が低い」
日下部の言葉に伏黒は思わず渋面を作り、「そんな風に言わなくても」と詞織が膝に指を当ててグリグリといじける。