第25章 紐解くスコア【得喪】
「彼と戦う前に、私との約束を果たしてもらう」
それを見て、五条はわざと笑ってやった。
「宿儺様とあろうお方が、そんなお母さんに縫ってもらった雑巾の指図を受けるんですかぁ〜?」
……まぁ、こちらとしても、宿儺と戦う前に やることをやっておきたい。
せっかく夏油の肉体を弔いに来たのに……。
だが、話からして何かしらの“縛り”だと思うが、ここまで宿儺が夏油の中の奴に寄っているとは……あぁ、面倒くせぇ。
「……いいだろう」
宿儺も五条と同じように面倒くさそうな顔をしていたが、不意にフッと口角を上げた。
どうやら話がついたみたいだな。
五条は長々と深くため息を吐いた。
「……ったく、今 何日だ?」
「十一月十九日」
夏油もどきが短く答える。
あれから二週間以上も経ってんのかよ。
その間に星也は受肉されたのか。
何があったら そんなことになんだ?
「じゃあ、十二月二十四日でいいだろ」
ガシガシと頭を掻きながら言うと、夏油もどきは「はっはっ」と声を立てて笑った。
「なに? ロマンチシズム? イブに私たちが予定を合わせるなんて、気色悪いな」
「命日が二つもあったら ややこしいだろ」
「……勝つ気かい?」
夏油もどきに「はっ」と鼻で笑ってやる。
虎杖に会って間もない頃、彼に聞かれたことがある。
――「先生とどっちが強い?」
――「うーん……そうだね。力を全て取り戻した宿儺なら、ちょっとしんどいな」
――「負けちゃう?」
そんなわけないだろ、悠仁。
何度だって こう答えるよ。
「――勝つさ」