第25章 紐解くスコア【得喪】
――埼玉県木呂子(きろこ)鉱山(呪術高専第四修練場)
布の上に【獄門疆『裏』】をセットし、つったかたーと髙羽が駆け足で その場を離れた。その様子を、虎杖たち一同は岩陰から見守る。
やべ、緊張でドキドキしてきた。
髙羽も岩陰に隠れたのを確認し、虎杖の隣にいた狗巻がチャキと拡声器を構える。頭上では、華も緊張した様子で息を吐き出しながら術式の準備をしていた。
「しゃっけ――‼︎」
狗巻の合図に、華が目を開く。
「――【邪去呼(やこぶ)の梯子】‼︎」
目も開けられないほどの強い光に、虎杖たちは顔を覆ったり、目を強く閉じたりした。次第に、鉱山を覆う光が晴れていく。恐る恐る目を開くと、【獄門疆『裏』】のあった辺りからもくもくと煙が広がっていた。
「どうなった⁉︎」
「先生ー! 近づいて平気ー⁉︎」
「先生、無事ですか⁉︎ 怪我とかしてないって信じてますよ!」
虎杖や順平、秤を先頭に、全員が【獄門疆『裏』】へ駆け寄る――が、そこには何もなかった。
「あれ? 先生?」
ない? なんで?
あれ……これって……。
「【獄門疆】と一緒に消えたってこと?」
虎杖の呟きに、後ろで華がドキッと肩を振るわせる気配を感じた。
「わ、私のせい……?」
全員にジトーと見つめられ、華が気まずそうに俯く。そこへ、虚空を見つめながら髙羽が真面目な顔で口を開いた。
「こうして、この世界に また一つ、新たなトリビアが生まれた……」
――【獄門疆『裏』】に“天使”の術式を当てると、五条 悟ごと消える……!
「五条 悟って魔の者だったんじゃないですか? だから私たちの光で消えちゃった。つまり、私のせいじゃなくない?」
「まぁ、あのバカ目隠しの性格はそんなモンだけどな」
開き直った華に、真希が淡々とした声音で返す。
――ゴゴゴゴゴゴッ‼︎
「地震⁉︎」
「このタイミングって偶然じゃねぇよな⁉︎」
順平と共に、虎杖は息を呑んだ。
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