第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「泣いてんじゃねぇ…」
眉間にはうっすらと皺が寄っていて、その表情にはどこか切なさも滲んでいる。
凪にンな顔させてんのは俺だよな?」
私を想って、私を信じて、それでも感情を全部飲み込んでくれて背負ってくれて、こんなにも愛されていることがどうしようもなく、痛い。勝己の肩に腕を回して震える声で紡ぐ。
「勝己は、何も悪くないよ」
そう、何も悪くない。全部、仕方なかったことだから。真っ直ぐに見つめた天井が歪んで、溢れた涙がゆっくりと伝う。とても温かくて、今この時間だけは私が私でいることを許してくれるような気がした。
「もう少し、待ってくれ…」
勝己の指先が手に触れて逃げ道を確かめるみたいに指を絡める。私は握り返すことができないまま勝己に抱かれた。
〝……凪〟
勝己に名前を呼ばれるだけで
私はまだ許されていて、少しだけ呼吸ができる。
だけど
私が呼ぶ名前は少しずつ温度を失って枯れていく。
今、この瞬間が消えない後悔になったとしても
好きって気持ちが、まだ痛いくらいに溢れてる。
next.