第3章 轟焦凍のHERO童貞理論
〝凪…〟
溢れてしまいそうな愛おしさが心の中で名前を描く。〝嫌じゃない〟そう言った凪は俺に身を預けるように目を閉じ、唇を結んだまま、力がこもっているようにも見えた。汗ばみ始めた身体と荒くなっていく呼吸になんとか冷静さを保ちながら、胸の突起に触れていた指先は体のラインをゆっくりとなぞり内太腿へ滑らせる。
「力、抜けるか?」
「……うん」
確認作業のような短い合意。躊躇いながらも下半身の中心の茂みを掻き分け、閉じたままの割れ目に触れた。柔らかな素肌が包む奥には熱く滑った感触が指に絡みつく。凪は小さく身じろぎして、腕で目元を覆ったまま動かない。呼吸を繰り返す唇が紅く艶っぽくて、欲情の色が濃くなる。指先を上下に揺らすと粘着質な水音が広がって、ぷっくりとした小さな突起に触れた時、一際大きな声があがった。
「っ…ぁっ、ぁ」
胸に触れていた時と明らかに声色が変わっていた。頭に入れいた知識と現実が重なる。指先で円を描き、指の腹で軽く押し強弱をつける。
「……ん…っ、ぁ…」
余裕のない凪の吐息が理性を削り、指先の感触に神経が集中する。狭い入り口もわずかにきゅっと反応して溢れてくる愛液に指はじっとりと濡れていた。
「……ねぇ、それ…ッ…わざと?」
「わざとじゃない。ちゃんと解しとかねぇと辛いだろ」
「でもそこばっか…」
「嫌か?」
「そうじゃない、…っ焦凍の、ばか…」
視線を上げれば凪の瞳は涙に濡れて頬は紅潮し表情も乱れていた。まともに受け止めたら最後、指先の動きを止めることができなくて、凪の吐息が荒くなればなるほど追い詰めるような愛撫を繰り返していた。
「焦、…とッ……。あ、っ…ぁ……んんぅっ」
ブレーキが効かなくなったのは凪も同じで、甘い嬌声の後に身体が大きく跳ねた。震える小さな身体を精一杯抱きしめる。
「もう…、恥ずかしい…。死んじゃいそ」
鼻を啜る涙声に胸に痛みが走る。無理をさせたくなかったのに結局は欲に負けたのは俺。急に不安がふっと湧き上がって凪に視線を向ける。