第1章 爆豪勝己はXXX(初)で優しさを覚えた
「最近雑じゃない?」
シャワー上がりでペットボトルに口をつけながら、私の問いかけに視線を向ける。〝雑〟という言葉が気に入らなかったのかその顔にはあからさまに面倒くささが滲んでいる。
「してる時の話ね」
「あ″?」
「だってさぁ、最近ますます荒っぽいし早いし、基本優しくないじゃん。やだって言っても絶対止めてくれないし」
「知るか。アホほどイッってたんは誰だよ」
「気持ちいいとはまた別。でも初めての時に比べたら絶対雑になってる」
「何年前の話してんだ。あ?」
「3年くらい前かぁ」
「いちいち覚えてねぇ」
「たった3年前じゃん。私は今でもちゃんと覚えてるのに」
「テメェとは頭の使い方が違うんだよ」
「じゃあ思い出して。私の初めて奪ったのは勝己だよ?」
「知るか、ンなこと」
「それはさすがに忘れたとは言わさない。聞いて」
「嫌だ」
「……あれはそう、三年前の、蒸し暑い夏の夜で…」
「おい」
「勝己の部屋で私は…」
「語んな、喋んな」
「勝己からだったもんね。したいって言ったのって」
「テメェなぁぁぁ」
勝己の目が血走って、体を掴まれたかと思ったら羽交い締めにされていた。
〝これ、本気で怒ってるやつ〟と悟った時にはもう遅い。可愛い彼女に対してのこの行動たるや優しさのかけらも無い。
あの頃に戻ってとは言わないけど、でも、もう少し優しくしてくれてもいいのに……薄れゆく意識の中、頭の引き出しから溢れそうになったあの三年前の夏の夜の記憶が、ふわりと蘇るような気がした……。