第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「……だとよ」
凪は一瞬きょとんとしたまま、それからゆっくりと表情を緩めていく。ふわっとした笑みには嬉しさが滲んでいる。
「勝己は、みんなから愛されてるね」
そう呟きながら、もう一度だけ小さく笑う。
「ばーか。愛されとンは凪だ…」
気づけば自然と凪を抱きしめていた。腕の中の体温を確かめるように、こみ上げてくる思いを重ねる。額に、頬に、そして唇へと、流れるように口付けていく。そして、その呼吸が重なった瞬間、隣の部屋からかすかに弱々しい泣き声が聞こえてきた。
お互いの動きがピタリと止まり、ほとんど同時に視線がぶつかる。一瞬の静止のあと、どちらからともなく、小さく笑いがこぼれた。
「行くぞ」
「はい」
守るべきものは、この腕の中にある。
それはきっと、これからも変わらない。
fin.