第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
そのあとはスタッフの計らいで写真撮影が行われ、穏やかな時間が流れていた。
「でもさぁ、轟のさっきの台詞、ガチっぽくなかった?」
ぽつりと呟いた上鳴の一言に、一斉に視線が焦凍へ集まる。
「ああ。凪と一緒にいて惚れねぇやつはいないって、爆豪が言ってたからな」
あっさりとした口調で言い切る焦凍に、隣の緑谷が慌てて口を塞ごうとする。
「轟君!!??それ言って大丈夫!!??」
「俺が一方的に好きだっただけだ」
さらりと続けられた言葉に、場の空気が一瞬だけ静まる。
「なんだよ、振られたのかよ轟」
「それでも祝いたいって気持ち、マジで漢だな!」
「……ああ。それに、誰かを好きになるのっていいなって思った」
その言葉は静かで、でも確かに温かい。
「轟君……」
「おいおいおい!イケメンがさらにイケメンになってんじゃん!最高かよ!」
「轟は俺たちが幸せにするわ」
「そうだね。轟君も辛いだろうけど、僕たちを頼ってね」
「……別に俺は不幸じゃねぇぞ。好きになった奴が幸せなら、それでいいだろ」
その一言に、今度こそ空気が変わった。
「轟……お前ってやつはよォォォ……!漢すぎんだろマジで!!」
「ここにいる誰よりかっこいいわ。俺が轟に惚れた」
「うんうん。僕も、今すごく感動してる」
ゴールのない3人のやりとりはどこまでも続きそうだった。隣の勝己はとっくに痺れを切らしていたようで、深いため息が聞こえてくる。
「ああもう、まじでこいつらには付き合い切れねぇ」
そう言うと勝己は私の腕をぐっと掴む。驚き顔をあげると、勝己は口角をあげ笑っていた、
「行くぞ」
その言葉と同時に、体がふわっと浮く。
「え、ちょっ…」
言い切る前に、勝己は私を抱き上げたまま、爆破の勢いで地面を蹴り上げる。次の瞬間、二人の体は宙へと放り出されていた。
「掴まってろよ」
低い声がすぐ耳元に触れ、反射的にその首元にしがみついた。ドレスの裾が大きくなびき、下を見ればさっきまでいたチャペルとみんなの姿が小さくなっていく。
「誰にも邪魔させねぇ」
ぎゅっと、抱き寄せられる腕に力がこもって、どうしようもなく胸の奥が熱くなった。