第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「でも、せっかくの提案だし…。今日から焦凍って呼んでみようかな」
「いいのか?」
「いいよ。……焦凍」
その声に轟君は一瞬だけ目を細め、微かに息を吐いた。そしてそっと身を乗り出すと優しく額に唇が触れた。
「……っ」
突然の温かさに思わず息が詰まる。触れられたおでこから、ほんのり体温が伝わってくる。
「悪ぃ…、したくなった」
その言葉に胸の奥がぎゅっと熱くなる。
まだ、好きって言ってないのに。でも、もう言葉は要らない、そんな気がした。少し間を置いて、私は自然と身を乗り出しそっと唇を重ねる。
時計の秒針だけが静かに動く。柔らかく触れる唇から、轟君の体温がじんわり伝わって、短い時間だけど互いの呼吸を感じる。
軽く息をついて唇を離すと、轟君も少し驚いたように目を見開く。視線を外し、顔が赤くなっていく。
「可愛い…」
「……ずりぃ」
「だって、私、……焦凍が、好き」
私の確かな想いだった。そのまま抱きしめられて、腕の中でわずかに息を呑む音が聞こえた。
「俺も、凪が好きだ…」
痛みはまだ残っている。それでも轟君を受け入れるように肩に腕を回して精一杯応えた。
焦凍が、好き。
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