第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
* 轟side
凪との生活は、日を重ねるごとに居心地が良くなっていた。家に帰れば優しい声で迎えてくれて、家を出る時もそっと背中を押すように見守ってくれる。いつの間にか、生活の中に凪の存在が当たり前になっていた。
今日も普段と変わらずに、朝から数件の事件をこなした。事務所へ戻った時は12時を回っていた。事務所内は珍しく俺一人だけで、他のヒーローやサイドキックたちは出払っていた。
冷蔵庫から取り出した凪の弁当をデスクに広げ、静かに手を合わせる。弁当箱の蓋を開けると、白いご飯の横には卵焼きと、小さく切られた鶏の照り焼き、彩りに入れられたブロッコリーやプチトマトまで几帳面に詰められている。箸を手に取って一口、口に運ぶ。
「うまい…」
今日も変わらず、凪の作るおかずは美味い。今朝、家を出る前に残っていた甘辛い匂いを思い出して、思わず頬が緩んだ。
二口目をどれにしようかと思った、その時。入口のドアが数回ノックされた。
「はい」
「……お邪魔します。轟君、おる…?」
ゆっくり開いたドアの隙間から、控えめに顔を覗かせたのは麗日だった。その後、蛙吹、八百万が続く。時々チームアップで任務を共にすることもあるし、現場で顔を合わせることもある。けど、わざわざ事務所を訪ねてくるのは珍しかった。
「どうした?」
「ごめんね、お昼中に…。今、大丈夫やった?」
「ああ。問題ねぇ」
「私は梅雨ちゃんとこの辺でパトロールしてたんだけど、偶然八百万さんに会ってね。今からエンデヴァーの事務所に行くって聞いて…」
「何かあったのか?」
「はい。私は先日、チームアップとして任務に参加した際の報告書を提出に参りましたの」
「そうか。わざわざ悪いな」
「それでね。最近、会ってないなって話になって、轟君おるかなぁって。…で、私たちもついて来ちゃった」