第4章 HOME 爆豪勝己 / 轟焦凍
「それより今日は報告書はちゃんと終わらせた?」
「いや…」
「もう…、また溜める気でしょ?」
「明日やる」
「本当に?」
「やろうとはした…。けど、腹が減ってて」
「それで帰ってきちゃったの?」
「ダメなのか?」
「ダメ…じゃないけど…」
そう、ダメじゃない。でも…、その理由で帰ってきちゃう轟君は、……可愛いと思ってしまう。
「下ごしらえは終わってるからすぐに作るね。その間にお風呂に入って待っててくれる?」
「ああ…。分かった。今日は何を作ってたんだ?」
「……唐揚げ。それも朝から仕込んでる」
「楽しみだな。すぐに済ませてくる」
「ダメです。ちゃんと温まってください」
一瞬だけ間があく。何か言いたげだったけど、観念したように小さく息を吐く。
「……分かった」
素直すぎる返事に、思わず笑ってしまう。ヒーローとはまた違う、轟君の素の一面だ。
「はい。じゃあ行ってらっしゃい」
轟君の背中を押して、私もキッチンへと戻る。フライパンに火をつけながら、胸の奥がじんわりと満たされていくのを感じた。
帰ってくる人がいて、待っている自分がいる。
それだけのことが、こんなにもあたたかい