第1章 爆豪勝己はXXX(初)で優しさを覚えた
それを思い返すと隣で寝てるこの男だって初々しさや優しさはちゃんとあった。というか、あの頃はしばらく慣れるまでは別人並みに優しかったような気がする。対等になった今のこの関係も悪くはないけど、女子としては〝たまには思い出してよ〟そんな思いがあるのは確か。でも、このムカつく寝顔だって可愛くて好きなんだから仕方ない。
「勝己のバカ…」
静かな寝息をたて眠っている勝己の唇に軽く触れる。唇が離れた瞬間、不機嫌そうな目と視線が重なる。
「あ…」
「………誰がバカだって?」
「起きてた?」
「起きとるわ。先に寝たんは凪だろうが」
「だって勝己が羽交い締めにしたじゃん。意識飛んじゃって」
「飛んでねぇ。その後、寝るっつって寝たんを覚えてねぇのかよ」
「あれ?そうだっけ?」
「毎回毎回テメェの体力に合わせて一回で我慢してやっとんだわ、こっちは」
「えー?気遣ってくれてたの?」
「すぐにへばるからな。どっかの誰かさんはよ」
「あ、ねぇ。もしかして轟君とか切島君たちに何か言われた?」
「うるせェ、んなわけねぇだろ!」
「…言われたんだ。何?あんまりがっつくと嫌われるよとか?」
「うっせェェ!」
「そうなんだ。でもそれをちゃんと意識してるところが可愛くないですか爆豪君」
「言われてねぇっつってんだろ!!」
「じゃあ今夜はもう一回する?」
「あ″ぁ!?」
「私ももう回復したよ。だから大丈夫。勝己ができないならいいけど」
「てめぇな…」
「おいで」
両手を広げて勝己を煽る。よく見ればお互い全裸のままだったけど、視線を逸らさずに拒む気配はなかった。距離を縮ませて素直に体を預けてくる。
「意識飛ばすまで抱く…」
「そしたらまた優しくしてくれるんでしょ?」
「するか」
そう言ったくせに耳元に触れる声は思わずはにかんでしまうくらいに語尾は優しい。これ以上余計なこと言っちゃうと怒っちゃいそうだから、唇を塞がられる前に伝えるね。
「そういうところよ、好きなのは…」
fin.