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【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】

第1章 出会いと始まり



少しの沈黙。

先に口を開いたのは、キルアだった。

「さっき言ってた賞金首。
 ……あいつら、狙ってたの俺じゃない」

テティスはすぐ理解した。

『私?』

「たぶん。
 操作系で、あの精度。
 一人でいるってのも、目立つ」

ーーそれと、その目立つ容姿も原因だな。


テティスは気にした様子もなく言う。

『慣れてる』

その言葉に、キルアは眉をひそめる。

「慣れるもんじゃないだろ」

テティスは答えない。
代わりに、湖の方を見る。

『……あなたは、ハンター?』

少しだけ、声が低くなる。

キルアは頷く。

「一応な」

『賞金目当て?』

「時々。基本は、旅」

テティスは小さく頷いた。

『私も、ハンター』

そう言ってから、付け足す。

『目的は……特にない』

それは嘘ではなかった。
けれど、空白が多すぎる答えでもあった。


キルアは尋ねる。

「この先、どこ行くんだ?」

『東。水の多い場所』

「……偶然だな」

キルアは肩をすくめる。

「俺もだ」

テティスがちらりとこちらを見る。

『一緒に来る?』

即答はしない。

キルアは一度、周囲を見回し、
それからテティスを見る。

「勘違いするな。
 信用はしてない」

テティスは静かに頷く。

『わかってる』

「でも――」

少し声が低くなる。

「さっきみたいな面倒なの、
 一人でやるよりはマシだ」

合理的な判断。
それ以上でも以下でもない。

「それにさ、お前……危機感なさすぎ。
 俺がいなかったら、今ごろどうなってたか」

キルアはフンと息を吐く。

テティスは一拍置いて、答える。

『……条件付きなら』

「奇遇だな。俺も」

視線が交わる。

それはまだ、仲間のそれではない。
けれど、背を向けても気にならない程度にはなっていた。

キルアは歩き出しながら言う。

「背中は預けない」

『同感』

「勝手な行動するな」

『あなたも』

一瞬、キルアが口の端を上げる。

「……じゃあ、行くぞ。テティス」

名前を呼ばれ、テティスはわずかに目を見開いた。

『……キルア』

その呼び返しに、なぜか胸の奥がざわつく。

こうして二人は、
雑談のような会話で、少しずつ互いの輪郭を知りながら
同じ道を歩き始めた。

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