【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】
第1章 出会いと始まり
緩い南風が吹き、深緑の葉が柔らかく揺れる。
森の奥深く、1人湖畔に立つ少女がいた。
白の腰くらいの長さの髪に、山吹色の瞳。
水面を覗き込むその顔は、まるで感情というものを忘れたかのようだった。
『誰…?』
背後からの気配に、振り返らずに問いかける。
「名乗るほどでもないけど。アンタこそ誰。
ここで何してんの。」
軽い声。
だが、その声に含まれる鋭さに、
テティス=レインは初めて相手を見る。
空気が、わずかに震えた。
次の瞬間、木の枝から軽やかに降り立つ影。
銀髪、蒼眼。
年齢は近いはずなのに、同世代とは思えない危うさ。
キルア=ゾルディック。
目が合った瞬間、
テティスの胸の奥で、なにかが静かに波打った。
「へぇ。こんなとこで女の子が一人?
不用心じゃない?」
軽い口調。
けれど、その視線は一瞬たりとも油断していない。
テティスは湖面に視線を戻したまま言った。
『……あなたも』
その言葉に、キルアは小さく笑った。
「言うね。面白い」
この出会いが、互いの人生を変えることになるとは、
まだ知らなかった。