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【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】

第3章 過去





峡谷の地下道。
陽の光は届かず、先は見えない。
無意識にいつもより、テティスはキルアの近くを歩く。

「……嫌な場所だな」

キルアが低く呟いた瞬間だった。


空気が、沈む。

突如、周囲の光が削ぎ落とされる。
松明の火が歪み、闇が濃くなる。



『……来た』





「――能力だ…!」

キルアが叫ぶより早く、
闇が“壁”のように閉じてきた。


敵が姿を現す。

「――闇とは実に恐ろしい…。
 逃げ場のない暗闇。息ができない感覚――」

具現化系――
対象の感覚と記憶を“暗闇”に沈める念能力。

「テティス!!」

返事がない。

振り向いた瞬間、
キルアは見た。

黒いオーラの壁に閉じ込められたテティスが、
動けずに立ち尽くしている。
瞳が開いたまま、焦点が合っていない。

(くそ……引きずり出された)

中の闇が、さらに濃くなる。

『寒い……』

テティスの唇が、かすかに動く。

『……いや……やめて……』

床に水が広がる。
だが、水は震え、形を保てない。


敵が嗤う。

「そちらのお嬢さんは暗闇が苦手なようだね」

「閉じ込められた記憶ほど、
 人を縛るものはない…ククッ」


キルアは歯を食いしばる。



「テティス!!」

近づこうとした瞬間、
闇の“壁”がキルアを弾いた。

「くそっ……!」



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