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【呪術廻戦】誰も知らない

第15章 合流


「この方は話せるのですか?」

先程、乙骨が八百比丘尼の存在に見せた驚きと同じ熱量の驚きを八重が見せた。
今までたくさんの呪霊を見てきてはいたが、意思疎通の取れる存在に出会うのは初めてだった。

「え…あ、はい。僕くらいとしか話しませんけど…」

そんな反応されたのは乙骨も初めてだったようで、呆気にとられているような答えだった。
そんなことも気にせず八重はリカに向き直った。

「そうなのですね。リカさん、脹相と悠仁くんを運んでくれてありがとうございました」

ペコリと丁寧に頭を下げる。
まるで人間にするような扱いに乙骨も目を見開いたし、リカ本体も戸惑っているように震えた。
頭をあげた八重は「今度は私も運んでいただけると助かるのですが…」と伺うような笑顔を向ける。

「…う゛ん゛」

リカは戸惑いながらも了承した。
そして、大きな手をゆっくりと近づけると壊れ物を扱うようにそっと、しかし落とさぬようにしっかりと握りしめられた。
その気遣いはちゃんと八重にも伝わっているらしく、「ありがとうございます、リカさん」とリカの顔を見て柔らかく微笑んだ。

「…八重さんはリカちゃんが怖くないんですか?」

今までの声よりも幾分小さく低く訊く乙骨に対して、八重の様子は変わらない。

「昔から人は見た目じゃないって言いますよね。それに…リカさんからはあなたのことが大好きという気持ちがとても伝わってきます。恋する女性に悪い方はいません」

少しだけいたずらっぽく微笑む八重に乙骨も毒気を抜かれたように表情を和らげる。

「…そうなんです。リカちゃんは素敵な女の子。なんです」

二人でクスクス笑っていると、脹相が「早く案内しろ」とせっつく。
そんな脹相に聞こえないように小さな声で「また後でいろいろ聞かせてください」と言えば、「わかりました」と返してくれる乙骨。
二人で再びクスリと笑えば、「早く!」と脹相の声が飛んでくる。
そうしてようやく乙骨たちの拠点に向けて出発していった。
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