第17章 干渉
拠点に着くと乙骨は火を起こし、その近くに虎杖を寝かせた。
虎杖が目覚める気配はない。
その様子を見て、乙骨は脹相の方を見る。
「僕が様子を見ていますので、脹相さんは少し休んでください」
そう乙骨に言われても弟第一主義の脹相は虎杖の側から離れないのではないかと思われたが、意外にも「わかった」とすんなり受け入れたことに八重は内心驚いでいた。
八重も八重で未だに目覚めない虎杖の側にいようと思っていたので、虎杖の傍らに膝を折ろうとする。
もう少し乙骨と話をしたい気持ちもある。
しかし、脹相が「八重、行くぞ」と声を掛ける。
「あ、私は休まなくても大丈夫ですので、悠仁くんを見ています。悠仁くんが起きたら知らせますので、脹相はゆっくり休んでください」
そう言っても脹相は動こうとしない。
眉根が寄って、ムッツリとした顔をしている。
移動中からずっとそんな顔をしている。
「…えっ、と…?」
どうすればいいかわからない八重が戸惑っていると再び「行くぞ」と言われる。
「悠仁は乙骨が見ていると言っている。お前は俺と来い」
思わず乙骨の顔を見る。
困ったような苦笑いをしている。
「八重さん、僕が見てますんで行ってください」
そう言われてしまえば、ここに残る理由はもうない。
それは脹相も理解したようで八重の手首を掴んで引き、焚火から離れた暗がりに向かって歩き出した。
焚火の側ではあんなに暗いと思っていた場所でも、入ってしまえばそれほどでもなかった。
瓦礫がない場所を見つけて、脹相がドカリと座り込むので八重も隣に腰を下ろす。
暗くてお互いの顔は見えないが、その分、存在がしっかり感じる。
少し離れた焚火が明るく、その揺らめきが美しく影を動かす。
それをぼんやり見ていると脹相が何かを話すための息を吸ったのが聞こえて、いつもより近くに座っていることに気付く。