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死んだと思ったら文ストの福地桜痴♀に成り代わった様です

第1章 その女、転生する。



 日光が降り注ぐ外と遮断された薄暗い部屋の中、部屋の中央に敷かれた布団に仰向けで転がっているジャージ姿の眼鏡をかけた冴えない女が一人、オフラインゲームを楽しんでいた。
「あ、死んだ」
ピコピコ音を鳴らしていたゲーム機の画面に、赤い字でゲームオーバーと表示されたと同時に女の口から空気が抜けるような声が出る。女はゲーム機の電源を切り、地面に滑らすようにスライディングさせ自身から遠ざけた。そして、ジャージの右ポケットから黒色の最新型のスマートフォンを取り出し時間を確認し、絶句した。
 只今の時刻”二時十分“、女が友人と遊ぶ約束をしていたのが“二時三十分”———そこから女の行動は早かった。まず友人に電話をかけながら、昨夜悩みに悩んで決めた一張羅を着用し、歯を磨き、顔洗い、髪の毛を整え、中々電話に出ない友人にメールを送りながら玄関で服に合う靴を履き、家を飛び出した。


「はっ…はっ…はっ…」
 女は息荒く、目的地に通じる近道を右に曲がり左に曲がり、木の根を飛び越え、坂を登り下り…とアクロバティックに走り続けた。汗が頬を伝った様な感覚がした女は走るスペースを少し落としながら頬を拭う。後少しで目的地に着くと安心していた女は油断して忘れていた、昨日少量の雨が降っていたことに。そして、女は草木で日陰になっている地面に足をつけ、盛大に滑り、崖の下に放り出された。
「あ、」
放り出されたと気付いたが、時すでに遅し。女は重力にしたがい地面に叩きつけられた。
ぐしゃり。耳を塞ぎたくなる程の不快な音が女の耳をおかす。
「…痛い」
 女の両手両足はあらぬ方向に折れ曲がり、体中から生暖かい血が流れ落ちる。流れ落ちる血を地面がじわじわとゆっくり吸い込んでゆく。その光景を何処か他人事の様に眺めていた女は酷い痛みを体外へ逃がそうと熱い息をこぼす。
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