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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第44章 おいでとさぼり


一方…
浅葱は、少し離れた建物の中…
小さなカフェに入っていった

「久しぶりだな、浅葱」
「そうだねぇ…いつ以来だ?あんた、ちっとも変わらないね」
「お前は皺が増えたか?」
浅葱は眉を上げて無言だ

ゆっくりと、席に着く
スタッフにコーヒーを頼むと向かいの相手に顔を向ける


楽巌寺嘉伸は、昔から変わらない仏頂面で茶をすすった
浅葱とは長い付き合いだった

若い頃、同じ現場に立ったことも一度や二度ではない
呪霊を祓い時には命を預け合った
今では楽巌寺は呪術界の上層にいる


「お呼び立てしてすまなかったね
小さいの連れてじゃ、そっちには中々行けないからさ」
浅葱がわざわざ東京に呼んだ理由も、なんとなく察していた

「それで、相談とは何だ」
「……うちの孫のことだよ…今日も連れてきている」

「紅海か…」
「知っているのかい?」
「名前くらいは聞いている」
 浅葱は少し黙った

「この子の呪力なんだけどね」
「どの程度だ」
「……多いなんてものじゃない」
 楽巌寺の表情が変わった
「術式は?」
「まだ発現はしていない」

「呪力自体は使えないのか…」
「使わせていない…いや……正確には、まだ教えていない」
 浅葱は目を伏せた

「五歳だよ?まずは自分の身を守る程度でいいと思っていた」
「だが、呪力だけが異常に多い…と言うことか」
「そう」
 楽巌寺は顎に手を当てて、しばらく考える

「両親は亡くなったと噂で聞いたが?」

「ああ、小瑠璃も、父親も、あの子を庇って死んだ」
 楽巌寺は黙った

「二人とも呪霊に狙われた理由は、恐らく紅海だと思う」
「呪力が狙いか」

「そうだと思う…小瑠璃はあの子の赤ん坊の時…婿は先月…
こうも、立て続けに呪霊に狙われてちゃ
あの子自身が災いを呼んでいるんじゃないかって…
…そう考えてしまうこともある」
「馬鹿な事を言うな」
 楽巌寺が即座に否定した
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