第1章 突然の政略結婚
「もう一度聞いていいですか?」
静かに、イザークの低い声が響きわたる。
その場にいたディアッカ、キラ、ラクス、そして現議長が思わず息を呑む。
「だから、あなたには結婚してもらいます。もういいお嬢さんをなんて言ってる暇はないわ。」
イザークの気迫に全く動じないエザリアが呆れたようにため息をつく。
「その、相手はダーリア王国の第一王女なんだ。」
もじもじしながらキラが気まずそうにする。
「な、ダーリア王国といえばブルーコスモスを含めた反コーディネーターのテロリストの本拠地があると言われてる国じゃないか?」
「そうなのです…。現国王と先日秘密裏に会談がありまして。コンパスに参加したいとか。国教の信仰により大々的にコーディネーターを肯定できなかったそうで。しかし、そのせいで戦禍が広がるのを心苦しく思ったそうですわ。そこで、王女とコーディネーネーターが結婚すれば国の雰囲気も変わるのではないかと。で、ですが、もちろんあなたの同意がなければお話はお断りしようかと思っておりますわ。」
大きくため息をつく。
「今日決断しないといけないことでしょうか?」
エザリアはまた大きなため息をつく。
「候補に上がったのがあなたとアスランそれか、あなたの隊にいるシホ・ハーネンフースが向こうの王子に嫁ぐかなのよ。」
「なぜ誰かが、結婚しないといけないのですか?他にも同盟の証は作れるでしょう。」
どうしてこのご時世に、政略結婚にこだわるのか。
「この提案を呑むのなら、物資や食糧の支援をするとあちら側からの提案がありましたわ。」
プラントは宇宙にあるため、物資は基本地球から運ばなければらない。
食糧は自分たちで作ろうとしたが血のバレンタインで農業用のコロニーが無くなったことで大きな打撃を受けた。
プラントにとって物資は死活問題なのだ。
「ダーリア王国は島国だが、石油も鉱山も豊かな土地も有り余るほどあるのだ。正直プラントとしては喉から手が出る程欲しい。アスラン君はアスハ代表との関係を公にしていないから候補に出したのだろう。シホ・ハーネンフースは父親が政界に出ていた事、彼女自身もザフトで優秀な人物であるため目をつけられたのだろう。」
今まで黙っていた議長、ワルターが口を開いた。