第7章 クリスマス
--来週。25日。
八番街の噴水の前で待ってる。19時だ。遅れるなよ。
軽薄そうな口ぶりで、妙に細かい時間設定。
”初めての約束”に浮かれていたこともあったのかもしれない。
周囲の音を根こそぎ奪う爆音。遅れてきた熱風が身体を叩く。
視界を閉ざす土煙に反射的に腕をかざした。
それでも目は閉じない。
足元には重い音。
どさり、と。
落ちた手首を視界が捉えた。ひび割れた文字盤は19時を示していた。
喉が渇く。
--ごめんなさい、レノ。今日は行けないわ。
タークスが出る時点で疑うべきだった。
事前情報の不足。見誤った危険度。
”簡単な偵察”を信じた自分の甘さ。
瓦礫の向こうの呻きに、震える指でマテリアを握り締めた。
次を失わないために。