第3章 そよかぜの共鳴
永遠に続くかに思われた強大な力の応酬を止める者がいた。
黒木さんだ。
おそらく、完全な化身の力を目にしたことで計画に修正が入ったのだろう。
フィフスセクターが関与しない自然発生の化身使いは、本当に貴重なサンプルになり得る。
試合が続かないのであれば、僕もここにいる理由は薄い。
「……そろそろ、入学式の時間ですね?」
「そういえば、そんな時間ですね。サッカー部に気を取られ過ぎました……」
「それでは、僕は一足先に失礼しますね」
軽い礼だけ済ませ、僕はその場を後にする。
何かごにょごにょとお小言を言われていた気もするが、そんなことはどうだっていい。
今回の騒動があった以上、京介への任務にもなんらかの変更が入るだろう。
つまり、僕の立ち回り方も少々改める必要が出てきた。
幸いサッカー部側の人間には捕捉されていないだろうから、京介には今後もあれくらい直接的に関わってもらえたら動きやすいんだけども。
……なかなか、先の読めない依頼になってきたな。