第1章 薬屋
「·····、こ、怖かったよー···!!!」
(あれ、ハートの海賊団のトラファルガー・ローって人だよね!?めっちゃ怖かったぁ───····)
手配表を見て、はローの存在をたまたま知っていただけに、受け答えには細心の注意をはらっていた。
(て言うか、こんな小さな港町に海賊が来るなんて)
たぶん、気に障る言葉は伝えていないはずだ。
そう、寡黙だと思われていた薬屋であり、緑の魔女と謂れ万能薬を作り出す事の出来る少女、・はビビりな所があった。
ローの気配が消えるのを待ってから、フードをゆっくりと脱いで立ち上がると、曇った窓ガラスからそっと外の気配を覗いた。
(良かった。いなくなった)
まるで小動物のように確かめた後で、は遅くなったお昼ご飯を買いに行くために、大きめの肩がけカバンを持った。
あまり人が訪れる事のないこの店は、知る人しか知らない場所となっていた。
だから海賊であるローが訪れるなど、余程珍しい事だった。