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たまのケージ【ヒロアカ】

第19章 笑わない人が笑った時ってキュンとする(爆豪勝己)


勝己は、何故か焦った。


自分を恋の沼に落とした張本人と会うのは、かなり恥ずかしい。


しかも、会った所で何を話せばいいのかもさっぱり分からない。

いや、繭莉は上鳴に用事があるんだから、喋る必要は全くないんだけども。


しかし、会ってあの目で見られたら、自分の想いを見透かされてしまいそうでなんだか怖い。


 ……俺、どうすりゃ……


考えすぎて、完璧に動きの止まった勝己を不思議そうに見る上鳴、耳郎、そして切島。


「おい、爆豪!どうしたんだよ」


切島に呼ばれて、勝己は我に返った。


「ンだよ!うっせぇな!」

元クラスメイトの前で、悶々と考えていた事が恥ずかしくなってしまった勝己は、悪態をつくと大皿から焼き鳥を1本取った。

「なに考えてたんだよ、爆豪。……あ、もしかして繭莉ちゃんの事?」

上鳴に図星を突かれて、持っていた焼き鳥をテーブルに落としそうになった。

「違ぇわ!なんで俺がンな事考えなきゃなんねんだよ!」
「あー、爆豪怪しい」

耳郎にまでそう言われて、顔に出した覚えはないのに何故どいつもこいつも図星を突いてくるのかと勝己はゾッとした。

「っせぇな!怪しくもなんともねぇわ!」

繭莉を好きな事だけは気付かれたくないのと、恥ずかしさで語気が強くなる。

「テメェらいい加減に……」


そう言いかけた所で、個室の襖がスッと開いた。


「お楽しみ中の所失礼します」


襖を開けた人物は、繭莉だった。


「あー、繭莉ちゃん!ゴメン、来てもらっちゃって」
「いえ、構いません」

彼女は、迷う事無く上鳴の傍に行くと腰を下ろし、数枚の紙を彼に渡した。

「ここの箇所が、記載漏れだそうです。今名前だけ書いていただければ、私が処理しておきます」
「えー……どれどれ……っと」

それを受け取って目を通した上鳴は、周り聞こえるようにデカめの声で言った。

「おーい、誰か!ボールペン持ってね?」
「上鳴くん、これを使うといい」
「お、サンキュー飯田!」

飯田からボールペンを受け取った上鳴が、紙にサラサラと名前を記入するとそれを繭莉に渡した。

「ありがとうございます。……じゃあ、私はこれで」
「その処理終わったら、帰っていいから!」
「はい」
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