第4章 とある秋の夜
あはは、と声をあげて笑う。
無理をしている感じは無くなったが、なんというか光が無い。学校で見る姿は変わらないように見えていたが、ふとした時に諦めたことを前面に見せてくる。
…その顔が切なくて。
「……」
「え、なになになに」
俺はカバンからボールを出して、○○に持たせる。
ブランコに座っていたのを、手を引いて無理やり立ち上がらせて、広いスペースに連れ出した。
「ほんとになに!?」
「……投げろ。スパイク練習…付き合え」
「は!?」
動揺しつつも下から上に、弧を描くボールを渋々投げる。
勿論、ちゃんとした練習かと言われればそうではないと思う。1人でやるよりはマシ。そんな程度だ。