第2章 おうちデート、ただし条件付き
「天使くん…ねえ」
消え入りそうな声でカナタが名前を呼ぶ。細い指がブランケットを巻き込み、くしゃりと天使の悪魔の指に絡みついた。
カナタが欲しているもの。僕が求めているもの。
きっと同じ気持ちのはずなのに。
「…だめだ、できないよ」
「あたしは、今ここでキスできるなら死んでもいいよ?」
「ふざけてる?」
「…本気、だもん…」
泣かないでほしかった。言葉で突き放すのにも限界がある。
天使の悪魔の葛藤をきっとカナタもわかっていて、だからこそ応えてあげられないのがもどかしくなり、深いため息をついた。
組み敷いたカナタを見下ろす。長い髪がソファーに広がり、無防備に乱れている。熱を帯びた瞳と甘い香りは、容赦なく天使の悪魔を惹きつける。
カナタの全てを知りたい。
それは決して叶わぬ祈り。
残酷な条件下でしか、二人は触れ合うことができない。