第2章 おうちデート、ただし条件付き
制限時間十分。
そう言われたら、普通の恋人たちは何をして過ごすのだろう。
天使の悪魔は頭の中で、どうしようもない葛藤と戦った。
だって、自分はきっと、そのほとんどをカナタに与えてあげられないのだ。
「僕はさ、天使であって悪魔だし、悪魔である前に男だよ?」
「わかるよね?」と囁く声が震える。
「いいよ…しよ?」
大胆な発言に面食らって、天使の悪魔は狼狽えたものの、なんとか理性で持ち堪えた。
カナタは能力についてわかっているはずなのに、けろっとしている。
「そりゃあ僕だってできるならしたいけど…」
「あたし、天使くんとして死ぬならいいよ」
恥ずかしい台詞をさらりと言ってのけるカナタ。天使の悪魔は、胸の高鳴りを隠しながら冷ややかな態度を演じた。
「軽率だよね、キミってさ」
「だって…」
何かを言いかけたカナタの身体に、天使の悪魔はブランケットをふわりとかけた。そして手の位置をまさぐって、ふわふわのブランケット越しに両手を捕まえる。ブランケットがくしゃくしゃになりながら、控えめに指が絡み合った。
「あったかい、天使くんの手」
「そりゃあお互い生きてるしね」
布越しなら寿命を吸い取らないなんて、我ながら中途半端な能力を授かったもんだと自嘲っぽく笑う。