第2章 おうちデート、ただし条件付き
ぎゅうとくっついて甘えてくる背中をそっと撫でる。
テレビボードに飾られた時計は、無情に時を刻む。二人の時間は、あと僅かしか残されていない。
「また時間見つけて会いに来るよ」
リモコンで映画を一時停止。「このまま僕らの時間も止まればいいのに」なんて、恥ずかしい台詞が頭に浮かび、苦笑いしてそれを打ち消した。
「…まだ一緒にいたい」
そう言って、反発するようにカナタは映画を再生する。
「でも、帰らないとたぶん僕は処分される」
「たかが二時間でブラックすぎない?逃げちゃえ!」
「できるならとっくにそうしてるよ」
公安の管理下だというのを何度も説明しているのに、カナタはいまだに納得しない。
不貞腐れたカナタは、突然天使の悪魔の腕を引いた。
カナタの身体はソファに沈み、天使の悪魔が手をついて覆い被さる体勢になる。
「…天使くん…おねがい…」
期待と不安の入り混じったカナタの目つきは、可愛いというにはあまりにも艶やかで、妖艶というにはまだ少し幼い。しかし、そんな曖昧さは彼女だけが見せる色気であり、潤んだ瞳が容赦なく天使の悪魔を誘い込んでくる。
甘いカナタの匂いが思考を覆い、強い衝動に目眩を覚えた。