• テキストサイズ

逢坂くんの彼女

第25章 憧れの先輩


「ごめんね。すぐ終わるから」

「いいよ別に。適当に遊んでるから」

今日は文芸部は休みなんだけど、逢坂くんがちょっと忘れてた用事があるというので私も部室についてきた。

逢坂くんは部室のパソコンを起動して何か作業をしてる。

私は入り口のそばの棚に置いてある文芸誌をパラパラとめくる。
この部屋には少年ジャンプはない。

部室のドアがコンコンとノックされガラッと開く。

文芸部の人かな?

まあみんな顔見知りだから別に遠慮したりはしないけど。

私はそっちを見てみる。

「あっ、桑門先輩」

「あ、ゆめさん。君、文芸部だったの?」

桑門先輩が優しい声と笑顔で私に尋ねる。

私も思わず笑顔になる。

「いえ、わたしは彼の…逢坂くんの友達で…今日は遊びに来たんです」

「彼女なんです。僕の」

逢坂くんが背後から突然会話に入ってくる。

「そうだったんだね。逢坂くん、今日、部長は?」

桑門先輩が逢坂くんに尋ねる。

「今日は休みです。言伝しておきましょうか?」

逢坂くんが答える。

「いいんだ。また明日来るね」

ドアを閉めて立ち去ろうとする桑門先輩を私はなんとなく見送る。

……。

なんか視線を感じて振り返る。

逢坂くんが私のことをじっと見てる。

「なっ何かな?」

私は明るく尋ねる。

「別に…」

逢坂くんは何か言いたげな顔で再びパソコンに向かった。



/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp