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逢坂くんの彼女

第21章 お昼


放課後。

「ゆめちゃん、お弁当すごく美味しかったよ。ごちそうさま」

逢坂くんがニコニコ笑って軽くなったお弁当包みを私に差し出す。

「美味しかった?あの…よかったら明日からわたし、逢坂くんの分のお弁当も作ってこようか?」

「え…いいの?」

彼が嬉しそうに私の顔を見る。

「うん。わたしも逢坂くんに食べてもらえると思ったら作りがいがあるし…
お昼に同じものを食べるんだと思うと…朝からずっと楽しみというか…クラスが離れててもずっと一緒…みたいな気持ちになれるような気がするの…」

私は少し大げさに可愛く照れながら言う。

言ってることはだいたい本当だけど。

「うん!嬉しい!お昼にゆめちゃんが作ったお弁当を… 君を想いながら食べられるなんて…。
想像しただけで身体が熱くなるよ…。
僕たちは離れている時もずっと一緒だね…」

彼がちょっと恥ずかしそうに、でもすごく嬉しそうに話す。

(ちょろい)

と私は思う。

「あ、あのさ…」

彼がちょっと言いにくそうに話し出す。

「昨日、君が僕に言ってくれた…僕の小説に対する辛らつな意見…。
ああいうの励みになるっていうか…また聞かせて欲しいな…。
別に小説の事だけじゃなくてもいいのだけれど…」

私は彼の顔を見て優しく微笑む。そして言う。

「うふ…。逢坂くんのそういうところ…すごく気持ち悪いと思うよ」

「え…えへ。ごめんなさい」

彼は嬉しそうに頬を赤くした。

(うわぁマジで気持ち悪い)


fin
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