第19章 夕暮れの観覧車
今日のデートは遊園地っ!
朝からいい天気で最高の遊園地日和。
「あっ、逢坂くん!あれに乗ろうよ!」
私はパークの真ん中の観覧車を指差す。
「えっ…観覧車?…まだ早いよ。後で」
逢坂くんが目をそらして言う。
「もしかして逢坂くん…高い所怖いの?」
弱点発見…かな?
「そ、そんなことないっ。今乗りたくないだけだよ」
彼があわてて言う。
そうかぁ。可愛いなぁ。
「そっか。うんうん、わかったよ。じゃあこっちにしよう」
私は優しく言ってあげる。
「お化け屋敷…?」
彼が戸惑いながらつぶやく。
「もしかして…お化けも怖い?」
私は彼の顔を覗き込む。
「…いや、全然。さあ行こうか」
…
「楽しかったね!」
お化け屋敷を出た私は、私の手をギュッと握ってくれている逢坂くんに声をかける。
「…そうだね」
彼が返事する。
私は楽しくてテンション上がる。
「逢坂くんリアクションよかったね!結構好きでしょ?お化け屋敷」
「え。いや…まあ…普通?」
「わたしは大好き!ね、もう一回行こう」
私は彼の手を引っ張ってもう一度入り口に向かおうとする。
「いや!せっかくだからいろいろ乗りたいし…別のものにしようよ。あのジェットコースターなんてどうかな?」
彼が提案する。
「え?結構高い所まで登るよ?大丈夫?」
私は彼の顔を見る。
「いや、だから高い所が苦手な訳ではないんだ」
「ふーん」
まあ観覧車はゆっくりだから逆に怖いっていうのも聞いたことあるし、それかな?
「そうだね。じゃあ次は逢坂くんが乗りたいのに乗ろう」
私はにっこり笑って言う。
彼は安心したように頷く。