第13章 特別な日
「逢坂くんの気持ちを確かめるの」
私がそう言うと彼は少し恥ずかしそうに微笑んだ。
「そんな…確かめるまでもなく、僕は君だけのものだよ」
私は彼の前に座り、顔を近付ける。
「ホントに本当?私のことだけが好き?」
私が彼の顔を覗き込み、そう言うと彼は嬉しそうに頷いた。
「ハルナちゃんより?」
「……は?」
私の言葉に彼は不思議そうな顔をする。
私は教えてあげる。
「グラビアアイドルのハルナちゃんだよ」
「あぁ…。そんなのたまたま買った雑誌にハルナちゃんが載ってただけだよ。ハルナちゃんに嫉妬しているの?そんな心配しなくていいんだよ」
彼がちょっと嬉しそうにニヤニヤする。
「でも逢坂くんが持っているエッチな本はハルナちゃんの特集ばかりだよ」
私は疑いの眼差しで彼を見つめる。
「それは…たまたま…もしかしたらそういう傾向はあるかもしれないけれど…。いや、たまたまだよ。そういう雑誌を買ったらたまたま載っていた。それだけ!」
「どうしてそんなもの買うの?」
「それは…やっぱり興味があるというか…。その辺は…理解して頂けると…有難いです」
彼が言いにくそうにもじもじする。
「私だけじゃ足りない?」
私の問いに彼が慌てて首を振る。
「ゆめちゃんが…ゆめちゃんがいてくれるだけで…僕は充分だよ」
「うふ…ご褒美あげる」
私は彼の後頭部に手を添え、口づけをする。
彼の舌が私を求める。
舌を絡めながら私は彼の下半身に手を伸ばす。
彼のものをそっと握る。
私が触れることで、彼のものがどんどん硬くなっていくように感じる。
私は形を確かめるようにゆっくり触れる。
そして唇をそっと離す。
「手錠を外して…。僕もゆめちゃんに触れたい…」
彼が吐息まじりにお願いする。
「勘違いしないでね。私が逢坂くんのものなんじゃなくて、逢坂くんが私のものなんだよ?ちゃんと可愛がってあげるから…ね?」
私は彼の硬くなったものを口に含む。
彼の口から可愛らしい声が漏れる…。
…
…
(うーん…ないな)
私は我に返り、とりあえずお菓子の本を開いた。
fin