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逢坂くんの彼女

第11章 寄り道


斗真とまともに話すこと自体久しぶりだけど、意外と話が盛り上がる。

やっぱり幼なじみだからかな。

あ、そう言えば…

「斗真…雨宮くんて覚えてる?」

確か斗真も一度会ったことがあるはず。

「雨宮?あぁ入院してたヤツ?
ていうかおまえの初恋の相手だよな」

斗真はちょっとイタズラっぽく笑う。

「え…。わたし斗真にそんな話したっけ」

私の顔が多分ちょっと赤くなる。

「そんなもん言わなくてもまるわかりだよ。おまえわかりやす過ぎ!」

斗真にますます笑われる。

「そうなんだ…。ていうかわたしこないだあの子に会ったよ」

「おう。元気だったか?」

「う…ん…。それがちょっとわからなくて」

「?」

斗真が不思議そうな顔をする。

私も途中まで話しちゃったけど、どういう風に説明したらいいかわからなくて黙ってしまう。

「うーん、よくわからないけど行くか!」

斗真が明るい笑顔と声で言う。

「行くって…どこに?」

「駅前のバーガーショップだよ。なんか食ったら元気出るだろ、おまえ。
…せっかく今日はストーカーもいないしな」

「…うん。そうかも」

斗真、私を元気づけようとしてくれてるんだ。

相変わらず優しいとこあるなぁ。

ピロロン

メッセの音。私のだ。

「あ、なんかメッセきた」

私はカバンからiPhoneを取り出す。

「ストーカーからじゃね?」

斗真が私のiPhoneを覗き込む。

「このタイミングで?」

私はメッセの画面を開きながら言う。



「斗真、当たり」

私はメッセの画面を見せる。


@もう家着いた?宿題わからない所あったら電話してね。もう熱下がったから大丈夫だよp(^_^)q


「…帰るか」

斗真がメッセを読んでボソッと言う。

「…そうだね。なんかやたら勘が鋭い時あるんだよね、逢坂くん」

私は首を傾げる。斗真は真面目な顔で言う。

「やっぱ見張ってんじゃね?」

「はは…。まさか」

私達は寄り道しないでまっすぐ帰った。


fin
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