第11章 寄り道
放課後、いつも逢坂くんと帰る帰り道を私は一人で歩いていた。
すると同級生で幼なじみの斗真が前を歩いていることに気づいた。
私は声をかけながら駆け寄る。
「斗真!」
「ん?あぁゆめか」
そう言って斗真は周りをキョロキョロと見渡す。そして言う。
「今日はおまえのストーカーいないのか?」
「は?ストーカー?なんのこと?」
驚く私に斗真がコソコソと話す。
「ほら…毎朝おまえの登校を待ってるだろ。公園で」
「逢坂くんのこと?彼氏だよ!待ち合わせしてんの!」
「ハハ。物好きなヤツがいるもんだよな」
そう言って笑う斗真を私は軽くにらむ。
「何それどういう意味?
逢坂くん今日は夏風邪で休んでるの。斗真は今日部活ないの?」
「休み。この時期は大きな試合もないしな」
斗真がニコニコして言う。
それを聞いた私が提案してみる。
「そっか。じゃあ一緒に帰ろうか」
「一緒に帰る…つーか隣だからな」
斗真がちょっと照れてるみたいに返事する。
確かに一緒に帰るとか超久しぶりだなぁ。
子供の頃は毎日一緒に学校行って一緒に帰ってたんだけど。